越前打刃物の伝統と歴史 越前鎌、包丁行商物語 NO,14
2015/06/28
越前打刃物の伝統と歴史 越前鎌、包丁行商物語 NO,14
『越前打刃物の歴史を調べていると、
知人から一冊の書物を紹介して頂きました。
昭和四十六年に発行されたこの書物は、
著者斉藤嘉造先生が書かれた貴重な物でした。
未来へと語り継ぎ、残していかなければいけないと思い、
この場をお借りし一部抜粋して、ご紹介していきたいと思います。
永い年月をかけ越前打刃物である鎌、包丁、鉈、鋏などが、
全国に広まった事実の物語です。』
行商の里 その2
内訳は次のように服間村是に記されている。
漆かき職人三五八戸、行商者三十戸、木挽職十五戸、酒造業五戸、
荒物豆腐等五戸、大工五戸、桶屋職五戸、油屋三戸、石工二戸、
鍛冶職一戸。
漆かき職が多いのは前に述べた通りだが、それに次いで多いのが
行商者である。
明治時代になると漆かき職の数が激減し、鎌行商の数が激増した。
それは江戸時代のように漆樹の栽培を積極的にやらなくなった事や、
中国産の漆液が大量に、しかも安価に輸入されたからである。