越前打刃物屋の仕事 パート20 両刃鋸編
2015/09/29
越前打刃物屋の仕事 パート20 両刃鋸編
『ホームページ上では刃物の研ぎは扱っておりませんが、店舗の方にお持ち頂いたものに関しましては、
刃物研ぎをさせていただいております。
一本一本その刃物にとっての最善の研ぎ、最高の切れ味になるよう時間をかけて再生をめざしております。
お急ぎの方には、ご要望にそえない場合もありますので、時間に余裕のある時をみはからってご持参ください。
お待ちしております。』
こんなものまで修理するのかと、思われるかもしれませんが扱っております。
これは両刃のノコギリで、両刃といっても包丁とは違い、片方を下にした場合
もう片方の上に向いた側にも刃が付いています。
刃はギザギザになっており、刃数の多い細かい目の方は、横引き用で
木材の目に対して垂直に切ります。(写真左)
反対側の刃は、横引き用に比べて刃が大きく、刃数が少なくなっており
木材の目に対して、平行に切る立引き用になります。(写真右)
切れ止んでくると刃先が白くなり、木材を切るのにカカリが悪く滑ってし
まい、一向に切り下がりません。
木を切るどころか、息が先に切れてしまいます。
これを切れるように修理することを目立てと言い、専用の金属用ヤスリ
で、一本一本削っていきます。
立引きと横引きの目立てをするとき、それぞれヤスリの目の細かさや
大きさが違い、用途に応じて使い分け仕上げていきます。
(BEFORE ビフォー) (AFTER アフター)