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刃物屋小話

越前打刃物の伝統と歴史 越前鎌、包丁行商物語 NO,17

2015/07/05

越前打刃物の伝統と歴史 越前鎌、包丁行商物語 NO,17

『越前打刃物の歴史を調べていると、

知人から一冊の書物を紹介して頂きました。

 

昭和四十六年に発行されたこの書物は、

著者斉藤嘉造先生が書かれた貴重な物でした。

 

未来へと語り継ぎ、残していかなければいけないと思い、

この場をお借りし一部抜粋して、ご紹介していきたいと思います。

 

永い年月をかけ越前打刃物である鎌、包丁、鉈、鋏などが、

全国に広まった事実の物語です。』

 

商いの道 その1

 

江戸時代から現在まで、鎌行商人は全国各地へ出かけたが、

特に中部地方、関東地方が多かった。

 

現在商いに行く主な府県は、石川、富山、岐阜、長野、愛知、静岡、

山梨、神奈川、東京、埼玉、千葉、茨城、群馬、福島、山形、岩手、

青森地方である。

 

仕入れる商品は、太平洋戦争のころまでは越前鎌が主で、

その他武生で生産した鋏、鋸、剃刀、やすり、庖丁などで、

たまには播州の小野や三木の鎌および各種刃物、

堺の庖丁、新潟三条の刃物、信州古馬の鎌なども

仕入れ販売した。

 

戦後は、行商先が純農村から近郊農村または近郊住宅地域に

大きく変貌した所では、一般家庭刃物や家庭器具、建築用材まで

手広く販売する行商人も現われた。

 

 

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