越前打刃物屋の仕事 パート117 赤さびに覆われた柳刃包丁編  その3

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刃物屋小話

越前打刃物屋の仕事 パート117 赤さびに覆われた柳刃包丁編  その3

2020/06/22

越前打刃物屋の仕事 part117

赤さびに覆われた柳刃包丁 其の三

まず最初に切っ先の出っ張り

弧の変形を直す為、

刃道の修正に取り掛かり

従来の形に整えました。

 

               【 研いだ後の状態 】

次に刃先が分厚くなった分

しのぎを峰の方に広げ

切り刃を薄くしながら錆びを取っていきました。

 

更に全体の錆び取りという工程で

進めていきましたが、

この赤錆びが曲者で

表面だけかと思っていたら

特に裏についた錆びが奥まで浸透していました。

 

               【 AFTER 】

 

               【 アフター 】

 

研いでも研いでも完全に

取り除くことができません。

 

完璧に取り除こうとすれば

刃身がペラペラになってしまい

包丁としては使い物になりません。

 

現状では最適であろう状態にして

仕上げました。

 

丁度、小刃の部分に錆が残っていると

刃こぼれした状態と同じようになって

引っかかる事もあると説明し

納得していただきお返ししました。

 

難敵でした。

 

砥石 包丁の販売 池田刃物店