越前打刃物の伝統と歴史 越前鎌、包丁行商物語 NO,27
2015/08/21
越前打刃物の伝統と歴史 越前鎌、包丁行商物語 NO,27
『越前打刃物の歴史を調べていると、
知人から一冊の書物を紹介して頂きました。
昭和四十六年に発行されたこの書物は、
著者斉藤嘉造先生が書かれた貴重な物でした。
未来へと語り継ぎ、残していかなければいけないと思い、
この場をお借りし一部抜粋して、ご紹介していきたいと思います。
永い年月をかけ越前打刃物である鎌、包丁、鉈、鋏などが、
全国に広まった事実の物語です。』
結び その2
いまだに従来の山村の業態を保っている地方も、
次第に変化を来たしてその数は少なくなろうとしている。
江戸、明治時代には平均約二百名、昭和十五年ごろ
百七十名を数えた行商人は、現在約百名余と推定される。
農村の過疎化、都市でも買い物の容易さ、農村内部の
小売店の増加などは、行商人の必要性を著しく
減少させている。
やがてこの農村からも行商人は姿を消す運命にある。
行商人自身も、この仕事は一代限りで子供達に
継がせる意志は、ほとんどない状態である。