越前打刃物の伝統と歴史 越前鎌、包丁行商物語 NO,11
2015/06/13
越前打刃物の伝統と歴史 越前鎌、包丁行商物語 NO,11
『越前打刃物の歴史を調べていると、
知人から一冊の書物を紹介して頂きました。
昭和四十六年に発行されたこの書物は、
著者斉藤嘉造先生が書かれた貴重な物でした。
未来へと語り継ぎ、残していかなければいけないと思い、
この場をお借りし一部抜粋して、ご紹介していきたいと思います。
永い年月をかけ越前打刃物である鎌、包丁、鉈、鋏などが、
全国に広まった事実の物語です。』
移り変わり 明治以後 その2
当時、今立郡選出の県会議員若泉孝治氏や、武生打刃物卸商
加藤時太郎氏等の斡旋によって組合が設立された。
初期組合長は領家の若泉嘉七氏、副組合長に落井の
石黒治太夫氏、理事十名、組合員百七十名余であった。
組合員の大半は今立郡内の行商人で、その他武生近傍、
丹生郡内の行商人もあった。
行商先は、組合長若林嘉七氏の話では、青森、岩手、茨城、
千葉、群馬、新潟、岐阜、富山、石川、静岡、三重、滋賀、
和歌山、鳥取、熊本などであった。