越前打刃物の伝統と歴史 越前鎌、包丁行商物語 NO,10
2015/06/10
越前打刃物の伝統と歴史 越前鎌、包丁行商物語 NO,10
『越前打刃物の歴史を調べていると、
知人から一冊の書物を紹介して頂きました。
昭和四十六年に発行されたこの書物は、
著者斉藤嘉造先生が書かれた貴重な物でした。
未来へと語り継ぎ、残していかなければいけないと思い、
この場をお借りし一部抜粋して、ご紹介していきたいと思います。
永い年月をかけ越前打刃物である鎌、包丁、鉈、鋏などが、
全国に広まった事実の物語です。』
移り変わり 明治以後 その1
明治から現在まで鎌行商は続いてる。
農閑期を利用する山村農民の副業が主であるから、
華々しい活動は見られない。
細々と営々と続いた。
一人でやる者、多数の売り子を雇って手広く
営業する者もあった。
そして昭和十三年には組合が結成された。
行商組合である。
組合の正式のなまえは、越前金物行商組合と
唱えた。
日華事変が始まった翌年の昭和十三年頃から、
行商も許可書がなければできなくなった。
福井県庁の許可書と行商先の府県の
許可が必要であった。