越前打刃物の伝統と歴史 越前鎌、包丁行商物語 NO,4
2015/05/23
越前打刃物の伝統と歴史 越前鎌、包丁行商物語 NO,4
『越前打刃物の歴史を調べていると、
知人から一冊の書物を紹介して頂きました。
昭和四十六年に発行されたこの書物は、
著者斉藤嘉造先生が書かれた貴重な物でした。
未来へと語り継ぎ、残していかなければいけないと思い、
この場をお借りし一部抜粋して、ご紹介していきたいと思います。
永い年月をかけ越前打刃物である鎌、包丁、鉈、鋏などが、
全国に広まった事実の物語です。』
移り変わり 江戸時代から その1
越前鎌の生産が始まったのは鎌倉時代といわれているが、
それが大量に生産され国外各地に移出されたのは、
江戸時代からであった。
武生の鎌鍛冶七十二軒が株仲間の結成を許可されたのは、
安永年間(1772~80)であり、鎌卸問屋三十数軒が、
株仲間の結成を許可されたのは、天保初年(1830年頃)である。
江戸時代は比較的平和が続き、農民の生活は貧しくはあったが
孜孜として農作物に励み、各領主は農林業の保護育成に
力を尽くしたので、その生産は大いに増加した。