越前打刃物の伝統と歴史 越前鎌、包丁行商物語 NO,5
2015/05/26
越前打刃物の伝統と歴史 越前鎌、包丁行商物語 NO,5
『越前打刃物の歴史を調べていると、
知人から一冊の書物を紹介して頂きました。
昭和四十六年に発行されたこの書物は、
著者斉藤嘉造先生が書かれた貴重な物でした。
未来へと語り継ぎ、残していかなければいけないと思い、
この場をお借りし一部抜粋して、ご紹介していきたいと思います。
永い年月をかけ越前打刃物である鎌、包丁、鉈、鋏などが、
全国に広まった事実の物語です。』
移り変わり 江戸時代から その2
江戸時代の初期の田畑総面積が百五十万町歩であったが、
中期には倍増して三百万町歩となり、
その末期には四百五十万町歩となった事によっても、
その素晴らしい発展が理解できるのである。
農機具がこれに伴って大量に生産されたのは
当然の事である。
越前武生の鎌は、その高度の製作技術により、
切れ味よく永保ちするので、急速に全国各地に
売り広められたものと思われる。
その普及に重要な役割を果たしたのが
鎌行商人であった。