越前打刃物の伝統と歴史 越前鎌、包丁行商物語 NO,18
2015/07/10
越前打刃物の伝統と歴史 越前鎌、包丁行商物語 NO,18
『越前打刃物の歴史を調べていると、
知人から一冊の書物を紹介して頂きました。
昭和四十六年に発行されたこの書物は、
著者斉藤嘉造先生が書かれた貴重な物でした。
未来へと語り継ぎ、残していかなければいけないと思い、
この場をお借りし一部抜粋して、ご紹介していきたいと思います。
永い年月をかけ越前打刃物である鎌、包丁、鉈、鋏などが、
全国に広まった事実の物語です。』
商いの道 その2
武生で商品を仕入れる場合は、昭和初期ごろまでは
鍛冶屋から直接仕入れる行商人が多かったが、
現在はその九割までは、卸問屋から仕入れている。
鎌や庖丁だけでなく、他の多くの種類の刃物や金物を
用意しなければならないからである。
行商人と取引をしている数件の卸問屋は、行商人が要求する
数多くの刃物や金物を各地の産地から取り揃えているので、
行商人はその卸問屋で、すべての金物や刃物の商品を
仕入れる事ができるのである。