越前打刃物の伝統と歴史 越前鎌、包丁行商物語 NO,12
2015/06/16
越前打刃物の伝統と歴史 越前鎌、包丁行商物語 NO,12
『越前打刃物の歴史を調べていると、
知人から一冊の書物を紹介して頂きました。
昭和四十六年に発行されたこの書物は、
著者斉藤嘉造先生が書かれた貴重な物でした。
未来へと語り継ぎ、残していかなければいけないと思い、
この場をお借りし一部抜粋して、ご紹介していきたいと思います。
永い年月をかけ越前打刃物である鎌、包丁、鉈、鋏などが、
全国に広まった事実の物語です。』
移り変わり 明治以後 その3
組合の設立目的が、戦時中の物資不足を克服して鎌製品を確保し、
需要家に従来通りの配給を続けようとするものであった。
しかし、次第に戦局の熾烈化につれて鉄資材の確保が困難となり、
昭和十八年ころには有名無実の組合となった。
行商人の食糧や旅行も不如意となり、
終戦前後には組合は自然消滅した。
戦後の混乱期には一時鎌行商人が激増した事もあったが、
現在はその数も減少し百名前後と考えられる。