越前打刃物屋の仕事 パート29 文化型包丁編
2016/04/13
越前打刃物屋の仕事 パート29 文化型包丁編
『ホームページ上では刃物の研ぎは扱っておりませんが、店舗の方にお持ち頂いたものに関しましては、
刃物研ぎをさせていただいております。
一本一本その刃物にとっての最善の研ぎ、最高の切れ味になるよう時間をかけて再生をめざしております。
お急ぎの方には、ご要望にそえない場合もありますので、時間に余裕のある時をみはからってご持参ください。
お待ちしております。』
〈 BEFORE ビフォー 〉
とにかく錆が凄いことになっているので、
錆を取ってほしいし研ぎもお願いしたいと
言う事で、お預かりしました。
まず荒砥石で全体的に錆を取るために
削っていきます。
そうすると表面に付いた赤錆は簡単に取
れるのですが、それよりも奥に浸透してい
る黒い錆が手強いです。
元々厚みが薄い包丁の為、黒錆が完全
に削り落とせるまで削ると、腰が弱くなりま
す。
その為、少々の黒錆は残っていても包丁
の厚みを優先させるよう削ります。
〈 AFTER アフター 〉
刃先以外の所は、錆が残っていようが
切れ味には関係ないので神経質になる
事もないのですが、刃先に関しては、そ
う言う訳にもいきません。
黒錆が、完全になくなるまで削り落とし
てやらないと、最終段階の仕上げ砥石を
かけても刃こぼれが永遠に続きます。
なので、最初の荒研ぎが重要になって
きます。