越前打刃物の伝統と歴史 越前鎌、包丁行商物語 NO,20
2015/07/16
越前打刃物の伝統と歴史 越前鎌、包丁行商物語 NO,20
『越前打刃物の歴史を調べていると、
知人から一冊の書物を紹介して頂きました。
昭和四十六年に発行されたこの書物は、
著者斉藤嘉造先生が書かれた貴重な物でした。
未来へと語り継ぎ、残していかなければいけないと思い、
この場をお借りし一部抜粋して、ご紹介していきたいと思います。
永い年月をかけ越前打刃物である鎌、包丁、鉈、鋏などが、
全国に広まった事実の物語です。』
商いの道 その4
刃物や金物は、食料品や衣類とちがって、それほど消耗が
はげしくないし、貸付けが主な取引で資本をねかしておく必要もあるので、
年に二度が良いのである。
武生市内の行商人の中には年中行く者もあったが、
これは特殊な例である。
戦後は商品を自動車に積んで石川、富山、岐阜、愛知、静岡方面へ
出かける者もあり、年に五、六回行く者もある。
その場合販売する商品は、鎌、庖丁類は全体の一割か二割で
家庭金物、その他多くの品物を取り扱っている。