越前打刃物屋のお客様 続・Aさん 包丁編
2014/07/18
越前打刃物屋のお客様 続・Aさん 包丁編
それから数週間後、
「この間の鋏良く切れます。
学生の頃、家庭科で使っていた鋏とは
切れ方が全然違いました。
と、喜んで頂いたみたいで
おすすめしたかいがあったなあと思いました。
今日は、包丁を研いでほしいと数本持って来店されました。
ご家庭で、包丁研ぎ器を使って研いでいるけど、
すぐに切れやんでしまうという事だそうです。
左右V字型の砥石の重なり合う溝の所に、
包丁を差し込み前後に動かすというものです。
この研ぎ器は簡易的なもので、肉眼では見にくいのですが、
顕微鏡で見ると、鋸の刃のようにギザギザの形状になります。
この状態では、本当の切れ味は蘇っていません。
一時的に使うのであれば構わないのですが、
何回も使っていると、刃先だけを研いでいるので
刃先が分厚くなり、一段と永切れしないようになります。
よくプロのシェフが棒状のもので、包丁をこする場面がありますが、
これも簡易的なもので、包丁を研ぐ時間がなかったりする場合に
使われるものです。
時間がある時は、平らな砥石で包丁全体を研いで
切れ味を復活させます。と説明したところ、
平らな砥石持ってます。
祖母が花嫁道具として持たせてくれたんですけど、
使い方がよく分からないというので、
今度、お預かりした包丁を取りに来るときに、
その砥石を持ってきてくださいと、言いました。
つづく ・・・